フリーランス1年目がやるべきお金の管理、3つだけ【クリエイター向け】
「え、経理? 自分でやるの?」
イラストレーター、デザイナー、動画編集者。クリエイターとしてフリーランスになった瞬間、制作スキルとはまったく別の問題がやってくる。
お金の管理である。
「帳簿をつけましょう」「経費を分類しましょう」。正論なのはわかる。わかるんだけど、こっちは1pxのズレと戦ってるんだ。経理に割く脳のリソースがない。
で、結局なにもしないまま2月を迎えて、確定申告の画面を前に真顔になる。クリエイターあるあるだと思う。
この記事では最低限やるべきことを3つだけに絞った。3つ。たったの3つ。これだけやっておけば、来年の2月に真顔にならなくて済む。
この記事のポイント
- フリーランス1年目に必要なお金の管理は「事業用口座」「レシート保管」「売上メモ」の3つだけ
- 完璧な帳簿は不要。まずは「記録する習慣」をつけることが最優先
- 2025年分の確定申告から基礎控除が最大95万円に引き上げ。小規模フリーランスにとって追い風
1. 事業用の口座を1つ決める
最初にやるべきことは、プライベートと仕事のお金を分けること。
新しく口座を開設する必要はない。今持っている口座のうち1つを「仕事用」と決めるだけ。クライアントからの報酬はここに入れる。Adobe CC、Canva、素材サイトなんかのサブスクもここから落とす。
たったこれだけなんだけど、効果はデカい。
確定申告のとき「これ仕事の出費?プライベート?どっち?」ってなる、あの仕分け地獄。口座を分けておくだけで、ほぼ消滅する。ルームシェアで財布を分けるのと同じ発想だ。混ぜるな危険。
やること(所要時間:10分)
- 手持ちの銀行口座から1つ選ぶ
- クライアントへの請求書にその口座を記載する
- 仕事用サブスクの決済用クレカの引落し先をその口座に変更する
- その他、経費になりそうな支払いの引落し先をその口座に変更する
10分で終わる。Adobe CCのアップデート待ちより短い。
2. レシートと領収書を「とりあえず」貯める
クリエイターの経費になるもの、実は結構ある。
- パソコン、ペンタブ、カメラなどの機材
- Adobe CC、Figma、Clip Studioなどのサブスク
- 参考書籍、セミナー参加費
- 打ち合わせのカフェ代
- 自宅で作業しているなら家賃・電気代の一部(家事按分)
ペンタブもAdobe CCも技術書も、全部経費。要するに「仕事で使った」と説明できるものは、だいたい経費になる。
問題は「これ経費になるかな……」と3秒迷っている間にレシートがゴミ箱に吸い込まれていくこと。
判断は後でいい。まずは全部取っておけ。
残しておいて「やっぱ経費じゃなかったわ」→ 何も失わない。
捨てちゃって「あれ経費だったのに……」→ 損。
月に1回、スマホでレシートを撮影してフォルダに放り込むだけでいい。完璧に整理する必要はまったくない。「存在している」ことが大事。
ちなみにフリーランス協会の「フリーランス白書2025」によると、確定申告の必要があるフリーランスの96.6%が実際に申告を行っている。意外とみんなちゃんとやってる。問題は「やるかどうか」じゃなくて「直前に慌てるかどうか」だ。
やること(所要時間:月5分)
- スマホに「レシート」フォルダを作る
- 仕事関連っぽいレシートを撮影して放り込む
- 紙のレシートは月ごとに封筒にまとめる
仕分けは確定申告の時期にやればいい。今はただ、貯めるだけ。
3. 売上を毎月メモする
3つ目。毎月の売上(入金額)をメモする。
Excelでもメモ帳でもスマホのメモアプリでもいい。形式はなんでもいい。
4月5日:○○社 イラスト制作 50,000円
4月20日:△△さん ロゴデザイン 30,000円
これでいい。もうこれで十分。
ポイントは入金があったタイミングで書くこと。「月末にまとめてやろう」は、やらないフラグだ。人間は忘れる生き物なので。
なぜこれが大事かというと、確定申告の計算式は「収入 − 経費 = 所得」。左辺の収入がわからないと、そもそも式が成り立たない。
ちなみに2025年分の確定申告から基礎控除が最大95万円に引き上げられた(給与収入200万円以下の場合)。フリーランス1年目で売上がまだ小さいなら、税金がかからないケースもある。
……じゃあ記録しなくていいじゃん、と思うかもしれないが、住民税は別基準で課税される。あと記録する習慣がないまま2年目に突入すると、だいたい詰む。1年目のうちに慣れておくのが吉。
やること(所要時間:入金のたびに1分)
- 入金があったらすぐにメモする
- 「日付・クライアント名・金額」の3点だけ
- 月末に合計を出す(やらなくてもいい。やると気持ちいい)
やらなくていいこと
1年目は「やること」より「やらなくていいこと」を知っておく方が大事だったりする。
- 簿記について学習 → 「知識をつけてから」なんて考えていると一生やらない
- 会計ソフトに課金する → 売上が少ないうちは過剰投資。まず記録の習慣が先
- 税理士に相談する → 年間売上300万円超えてからで十分
「ちゃんとやらなきゃ」のプレッシャーで何もできなくなる。これが一番マズい。完璧主義はクリエイティブに発揮して、経理は最低限でいい。
まとめ:1年目は「3つの習慣」で乗り切れる
| やること | 所要時間 | 効果 |
|---|---|---|
| 事業用口座を1つ決める | 初回10分 | 仕分け地獄から解放される |
| レシートを撮影して貯める | 月5分 | 確定申告前夜のパニックが消える |
| 売上を入金のたびにメモする | 1回1分 | 「で、今年いくら稼いだの?」に即答できる |
合計の所要時間、月6分。YouTubeのショート視聴2回分くらい。
この3つを今日から始めれば、来年の確定申告(2027年2月16日〜3月15日)で真顔にならなくて済む。
「でも結局、月6分すらダルいんだよな……」
わかる。めちゃくちゃわかる。
そういう人のために、LINEにレシートの写真を送るだけで全部終わるツールがある。
LANCE(ランス) はフリーランス向けの家計簿アプリ。LINEでレシートを撮って送るだけで、AIが勝手に経費を仕分けてくれる。ベータ版公開中。「とりあえず友だち追加だけしておく」くらいのノリでお願いできれば。
この記事の情報は2026年4月時点のものです。税制は変更される場合があります。具体的な税務判断については税理士にご相談ください。


