クリエイターのデスク環境、どこまで経費にできる?【保存版まとめ】
「これ、経費で落ちるかな?」
クリエイターなら年に47回くらい思うセリフだと思う。新しい液タブ、28インチの4Kモニター、奮発して買ったハーマンミラーの椅子。デスク周りにはこだわりと投資が詰まっている。
で、ここが大事なんだけど——仕事のための投資は、経費になる。
ただし「全部経費でしょ?」とノリで処理すると、確定申告で痛い目を見る。金額によって処理方法が変わるし、自宅兼事務所なら「按分」も絡んでくる。ちょっとだけややこしい。ちょっとだけ。
この記事では、クリエイターのデスク周りにあるものを「経費OK」「金額で変わる」「条件付き」「NG」に仕分けた。確定申告前にブックマークしておいて損はない。
この記事のポイント
- クリエイターのデスク環境は大部分が経費になる。ただし金額で処理方法が変わる
- 10万円未満は一括経費、10万円以上は原則「減価償却」。青色申告なら30万円未満まで一括OK
- 自宅作業の場合、家賃・電気代は「家事按分」で一部経費にできる
一括で経費にできるもの(10万円未満)
購入価格が税込10万円未満のもの。買った年に丸ごと「消耗品費」として経費にできる。深く考えなくていいゾーン。
| アイテム | 価格帯の目安 | 勘定科目 |
|---|---|---|
| マウス・キーボード | 3,000〜15,000円 | 消耗品費 |
| USBハブ・ケーブル類 | 1,000〜5,000円 | 消耗品費 |
| デスクライト | 3,000〜8,000円 | 消耗品費 |
| ヘッドホン・イヤホン | 3,000〜30,000円 | 消耗品費 |
| Webカメラ | 3,000〜15,000円 | 消耗品費 |
| 外付けSSD(1TB程度) | 8,000〜15,000円 | 消耗品費 |
| 参考書籍・技術書 | 1,000〜5,000円 | 新聞図書費 |
レシートか領収書さえ残っていれば、何も悩むことはない。迷ったら経費。
金額によって処理が変わるもの(10万円以上)
ここからがクリエイターにとっての本題。仕事道具は高いのだ。いいものを使わないといい仕事はできない。わかる。問題は税務処理が3パターンに分岐すること。
パソコン(ノートPC・デスクトップ)
| 価格帯 | 処理方法 | 具体例 |
|---|---|---|
| 10万円未満 | 一括経費(消耗品費) | Chromebook、中古ノートPC |
| 10万円〜30万円未満 | 青色申告なら一括経費OK(少額減価償却資産の特例) | MacBook Air、ゲーミングPC |
| 30万円以上 | 4年かけて減価償却 | MacBook Pro上位モデル、ハイエンドデスクトップ |
ここで青色申告の威力が出る。30万円未満なら買った年に全額経費にできる「少額減価償却資産の特例」。年間合計300万円まで使える。
MacBook Airを買って「4年に分けて経費……」とかやらなくていい。青色申告にしておくだけで、その年にドンと落とせる。この特例だけで青色にする価値がある、と言っても過言ではない。
モニター・ディスプレイ
| 価格帯 | 処理方法 |
|---|---|
| 10万円未満(24〜27インチが多い) | 一括経費 |
| 10万円以上(4K 32インチ、カラーマネジメント対応等) | 減価償却 or 少額減価償却資産の特例 |
カラーマネジメント対応モニターは10万円を超えることが多い。でもイラストレーターやデザイナーにとっては色が正しく見えないと仕事にならない。これは趣味じゃなくて仕事道具。経費として認められやすい。
ペンタブ・液タブ
| 機種例 | 価格帯 | 処理方法 |
|---|---|---|
| Wacom Intuos(板タブ) | 1万〜3万円 | 一括経費 |
| Wacom Cintiq 16 | 約8万円 | 一括経費 |
| Wacom Cintiq Pro 27 | 約35万円 | 減価償却(4年) |
| iPad Pro + Apple Pencil | 約15〜25万円 | 少額減価償却資産の特例(青色申告) |
Cintiq Pro 27を買ったときの高揚感と、「35万……これ減価償却か……」という現実。クリエイターの宿命である。4年間に分けて毎年経費にしていく。気は長く持とう。
デスク・椅子
| アイテム | 価格帯 | 処理方法 |
|---|---|---|
| スタンディングデスク | 3万〜8万円 | 一括経費 |
| ゲーミングチェア | 2万〜5万円 | 一括経費 |
| ハーマンミラー等の高級チェア | 15万〜25万円 | 少額減価償却資産の特例 |
「椅子に20万?」と周囲に言われるかもしれないが、1日10時間座る人間にとって椅子は医療費の先払いだ。しかも経費になる。ハーマンミラー、実質タダ(※タダではない)。
ただし自宅兼用の場合は按分が必要になる。これは後述。
毎月かかる経費(サブスク・サービス)
クリエイターのサブスク代。毎月の利用料をそのまま経費に計上すればいい。年払いした場合もその年の経費にできる。
| サービス | 月額目安 | 勘定科目 |
|---|---|---|
| Adobe Creative Cloud | 約7,000円 | 通信費 |
| Figma | 約2,000円 | 通信費 |
| Clip Studio Paint | 約500円 | 通信費 |
| Canva Pro | 約1,500円 | 通信費 |
| ストックフォト素材サイト | 約3,000円 | 通信費 |
| クラウドストレージ(Google One等) | 約250円 | 通信費 |
| ドメイン・レンタルサーバー | 約1,000円 | 通信費 |
| ポートフォリオサイト(Behance Pro等) | 約1,500円 | 広告宣伝費 |
全部合わせると月に1〜2万円。年間で12〜24万円。これを経費にしないのは、税金を余分に払っているのと同じだ。サブスクの請求メールは捨てずに取っておこう。それだけで証拠になる。
条件付き:家事按分が必要なもの
自宅で作業しているクリエイターは多い。というか大半じゃないだろうか。その場合、家賃や光熱費の一部を経費にできる。これを「家事按分(かじあんぶん)」と呼ぶ。
按分の考え方
按分割合は「面積」または「使用時間」で決める。税務署に聞かれたときに合理的に説明できればOK。ざっくりでいいけど、テキトーすぎるのはダメ。
面積で按分する例:
- 自宅60㎡のうち作業スペースが15㎡ → 按分率25%
- 家賃10万円 × 25% = 毎月2.5万円が経費
時間で按分する例:
- 1日のうち8時間仕事で使用 → 按分率 8/24 = 約33%
- 電気代1万円 × 33% = 約3,300円が経費
按分できる主な項目
| 項目 | 按分の基準 | 勘定科目 |
|---|---|---|
| 家賃 | 面積比 or 時間比 | 地代家賃 |
| 電気代 | 面積比 or 時間比 | 水道光熱費 |
| インターネット回線 | 時間比 | 通信費 |
| スマホ代 | 使用割合 | 通信費 |
注意: 水道代・ガス代は「それ仕事に必要ですか?」と聞かれたとき説明が苦しい。イラストを描くのに水は使わない。計上しないのが無難。
経費にできないもの
ちなみに、以下は経費にならない。ここを間違えると税務署に指摘される。
- 所得税・住民税 — 税金で税金は払えない(ただし個人事業税は経費OK)
- 国民健康保険・国民年金 — 経費ではなく「社会保険料控除」で処理する
- 食事代(1人ランチ) — 打ち合わせを伴わない食事は原則NG。残念ながら作業中のUberEatsは経費にならない
- 趣味と区別がつかないもの — 「資料として必要」と説明できないゲームソフト等
まとめ:デスク環境は「ほぼ経費」だが処理方法を間違えるな
クリエイターのデスク環境にあるものは、そのほとんどが経費になる。おさらい。
| 金額 | 処理方法 | 一言 |
|---|---|---|
| 10万円未満 | 一括で経費 | 何も考えなくてOK |
| 10万〜30万円未満 | 青色申告なら一括OK | 特例を使い倒せ |
| 30万円以上 | 資産種別に応じて減価償却 | 気長にいこう |
| 自宅作業 | 家事按分で一部経費 | 面積か時間で割る |
「これ経費になるのかな?」と迷ったら、とりあえずレシートを残す。捨てたら取り返しがつかないが、残しておいて「やっぱ違った」なら何も失わない。迷ったら残す。これが鉄則。
……とはいえ、レシートを毎回撮影して、勘定科目を調べて、金額を記録して、って作業が地味にダルいのも事実。
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この記事の情報は2026年4月時点のものです。少額減価償却資産の特例の適用期限など、税制は変更される場合があります。具体的な税務判断については税理士にご相談ください。


