AI時代、本を読むのが億劫になった|情報疲れ対策プロンプト

AI時代、本を読むのが億劫になった|情報疲れ対策プロンプト

本を読むのが、億劫になった。

時間がないわけではない。机の上には読みたい本がある。それでも数ページ読むと、スマホを見たくなる。考え事を始めても、途中でAIに聞けば早いじゃないかと思ってしまう。

私はAIを使って会社を動かしている。調査も文章も、以前よりずっと速くなった。なのに、じっくり考える力だけが細切れになっている気がする。

さすがにまずいと思い、できるだけ考えを手で書くようにした。紙の上では通知が光らない。予測変換も先回りしない。少しだけ頭が静かになる。

ただ、自分で自分を管理するのは難しい。

そこで7日間、AIの役割を変えてみる。答えを出させるのではない。考える時間を守らせる。

3行でわかるサマリー

  • AIは作業時間を短くする一方、確認や選択を増やし、思考を細かく切ることがあります。
  • 一般的な習慣術を増やす代わりに、本人の生活からトリガー、最小動作、再開条件を一つずつ決めます。
  • 無料プロンプトは一問ずつ聞き、続かない目標を「その場で始められる動作」へ変えます。

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続けたいこと、既存の動作、最小動作、道具の置き場所、休んだ後の戻り方を一枚にまとめます。連続日数ではなく、再開できた日を記録するPDFです。

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目次

「スマホ認知症」より気になったこと

きっかけは、2026年6月27日付の日本経済新聞に載った「脳が疲労『スマホ認知症』」という記事だった。物忘れや集中力低下を訴える人が増え、スマートフォンによる情報過多との関係が紹介されていた。

「スマホ認知症」は正式な診断名ではない。物忘れや集中しにくさだけで、原因をスマホやAIに決めることもできない。睡眠不足やストレス、薬、病気など別の原因もあり得る。生活に支障が出ている場合は、自己流のデジタル対策だけで済ませず医療機関へ相談したほうがいい。

私が記事を読んで引っかかったのは、病名ではなかった。

本を読むのが面倒になったこと。すぐに答えが出ない時間へ、前より耐えにくくなったことだ。

AIは一つの質問に答えると、次の選択肢まで出してくれる。文章を直せば別案が三つ届く。調べ物をすれば、関連テーマが五つ増える。仕事は進む。だが、頭の中では小さな判断が終わらない。

便利になったのに疲れる。これは矛盾ではないのだと思う。

集中を切るのは「長時間」だけではない

スマホの問題を、使用時間だけで考えると話が雑になる。地図を2時間使った日と、SNSを2時間見た日は同じではない。仕事の認証アプリも、家族との連絡も必要だ。

むしろ気になるのは中断である。

2015年の実験では、スマホに届いた通知は、端末を直接操作しなくても注意を要する課題の成績を下げた。2023年に公表された別の実験では、スマホが見える場所にあるだけで、注意課題の成績が低下したと報告されている。

これらの研究だけで、スマホが認知機能を長期的に低下させるとは言えない。対象者、課題、測定時間が限られた実験だからだ。ただ、「触っていないから邪魔されていない」とも言い切れない。

私の場合、問題は何時間使ったかより、考え始めた直後に別の入口が開くことだった。

  • 分からない言葉をすぐ検索する
  • 途中の考えをAIへ投げる
  • 返答に出た別案を確認する
  • 通知を一つだけ見る
  • 元の本へ戻り、どこまで読んだか探す

一つひとつは数十秒である。ところが、思考は毎回そこから組み直しになる。

手書きを続けている理由

私は、できるだけ考えを手で書くようにしている。立派なノート術があるわけではない。頭にあるものを、紙へ逃がしているだけだ。

手書きなら遅い。だから全部は書けない。残す言葉を選ぶ。この不便さが、今はむしろ助かっている。

2024年に発表された高密度脳波の研究では、大学生36人が単語を手書きしたとき、キーボードで入力したときより広い脳領域の接続パターンが観察された。ただし、この研究は学習成績そのものを測っておらず、タイピングも人差し指一本という特殊な条件だった。後に公表された論評も、「手書きなら学習効果が上がる」と広く結論づけることへ注意を促している。

だから私は、手書きで頭がよくなるとは書かない。

それでも紙には明確な利点がある。通知が来ない。別のタブがない。書いている途中で答えが完成しない。少なくとも私には、この遅さが必要だった。

自分を管理するのが難しいのは当然だ

「本を読む」「英語を勉強する」「デッサンを練習する」。目標を書くのは簡単だ。だが、どれもその場で手を動かせる言葉ではない。

管理する自分と、管理される自分が同じ人間だから難しい。疲れた夜には、ルールを作った側も疲れている。「今日は何をやろう」と教材を選び始めた時点で、別の情報が入る余地も生まれる。

問題は意志より、開始前の判断が多いことかもしれない。

習慣化の方法を知っても続かない理由

習慣化については、研究者や専門家が多くの方法を紹介している。カレンダーへ書く。スマホで知らせる。既存の習慣へつなぐ。記録を続ける。どれも、使い方によっては助けになる。

それでも続かないことがある。知識が足りないのではなく、自分の一日のどこへ置くかが決まっていないからだ。

通知は「やる予定だった」と思い出させる。しかし、その瞬間に教材が見つからなければ始まらない。張り紙も、数日たてば部屋の景色になる。連続記録は励みになる一方、一度切れた後の再開を重くすることがある。

そこで目標を、次の七つへ分ける。

  • 何を続けたいか
  • どこで止まってきたか
  • 毎日または毎週、ほぼ確実に起きる動作は何か
  • 疲れていても可能な最小動作は何か
  • 普通の日にはどこまで行うか
  • 道具をどこへ置くか
  • 休んだ後、何をしたら再開と数えるか

予定表を増やす前に、始める瞬間を具体的にする。

続かない目標を個人用タスクへ変えるプロンプト

このプロンプトは、最初から立派な計画を出さない。一問ずつ聞き、回答がそろってから二週間の試行案を作る。

複数の目標がある場合も、すべてを毎日の日課にはしない。主に進めるタスクと、細く触れておくタスクを分ける。休んだ日は取り戻さず、次に戻る動作を先に決める。

あなたは、続かない目標を本人の生活に合う行動へ変える「個人タスク設計者」です。
精神論や一般的な習慣術を並べず、私の回答だけを使って2週間の試行案を作ってください。

# 対話ルール
- 質問は必ず一度に1問だけ行う
- 質問は最大8問までにする
- 回答を受け取る前に、計画やおすすめを出さない
- 氏名、住所、勤務先、病歴などの個人情報は聞かない
- 「勉強する」「練習する」のような目標名を、その場で手を動かせる動作へ変える
- 毎日行う前提にしない。内容に合う週の回数を考える
- 複数の目標がある場合は、主タスクと維持タスクを分ける
- 意志の強さではなく、既存動作、場所、道具の配置を使う
- 連続日数を評価しない。休んだ後の再開条件を必ず作る
- 提案する道具、アプリ、ルールは増やしすぎない

# 確認する内容
次の内容を一問ずつ確認してください。すでに回答済みの項目は聞き直しません。
1. 続けたいことと、その理由
2. これまで止まった場面
3. 一日の中でほぼ必ず行う動作
4. 使える曜日、時間、場所
5. 開始までに必要な準備
6. 疲れていてもできる最小動作
7. 普通の日に行いたい量
8. 二週間後に確認したい変化

# 設計ルール
- トリガーは時刻だけでなく、直前の既存動作と結びつける
- 最小動作は2分以内、または1回で終えられる形にする
- 通常動作は本人が答えた時間内に収める
- 実施できなかった分を翌日に上乗せしない
- 再開日は最小動作だけで成功とする
- 二週間で変更する条件は最大2つに絞る

# 最終出力
## 設計の結論
100字以内で、続かなかった主な理由と今回の変更を示す

## 個人タスク設計
| 項目 | 主タスク | 維持タスク |
|---|---|---|
| 目的 |  |  |
| トリガー |  |  |
| 最小動作 |  |  |
| 通常動作 |  |  |
| 道具の置き場所 |  |  |
| 週の回数 |  |  |
| 休んだ日の扱い |  |  |
| 再開条件 |  |  |

## 2週間の配置
曜日ごとに「主タスク/維持タスク/休み」を割り当てる

## 邪魔が入った場合
起こりそうな障害を最大3つ挙げ、それぞれ環境で変えることを1つ示す

## 2週間後の判定
続行、条件変更、中止を判断する質問を3つ示す

最初の質問を1問だけしてください。

最後の一文が大事だ。「最初の質問を1問だけ」と書かないと、AIは親切心で質問票をまとめて出してくる。こちらは情報疲れを減らしたいのに、面接用紙が一枚増える。そういう親切はいったん座っていてほしい。

デッサンと英語を入力して試した

動作確認では、二つの目標を入力した。

続けたいことは、デッサンと英語です。
どちらも始める内容を毎回考えてしまい、何日か空くとそのまま止まります。

実際の生活条件がまだ入力されていないため、検証では次の架空条件を使った。

  • 朝、最初の飲み物を用意する動作はほぼ毎日ある
  • 夜は仕事用パソコンを閉じるが、疲れている日も多い
  • 英語は短く頻繁に触れたい
  • デッサンは週3回、15分なら確保できる
  • 教材と道具を選ぶところで止まりやすい

この回答では、英語が維持タスク、デッサンが主タスクになった。

項目 デッサン(主タスク) 英語(維持タスク)
トリガー 月・水・土に仕事用PCを閉じた直後 朝、最初の飲み物を机へ置いた直後
最小動作 スケッチブックに線を1本引く 固定した教材の英文を1文読む
通常動作 目の前の物を15分描く 同じ教材を5分音読する
道具 PC横へ鉛筆と開いたスケッチブックを置く 飲み物を置く場所に教材を開いておく
休んだ日 翌日に追加しない その日の分は終了
再開条件 次の月・水・土に線1本で成功 次の朝に英文1文で成功

これは完成した正解ではない。朝の飲み物やPCを閉じる動作が本人の生活に存在しなければ使えない。プロンプトが一問ずつ聞くのは、そのずれを減らすためだ。

続けるより、戻れる仕組みを作る

連続日数は分かりやすい。十日続けば気分もいい。しかし十一日目に休んだとき、ゼロへ戻ったように感じることがある。

この設計では、休んだ日を借金にしない。次の予定日に最小動作を行えば再開である。英語なら一文読む。デッサンなら線を一本引く。学習量としては小さい。戻る入口としては十分だ。

記録するなら、連続日数ではなく次の三つだけでいい。

  • 始められた日
  • 休んだ日
  • 戻れた日

習慣を守れなかった回数ではなく、何度戻れたかを見る。

AIを減らしたいわけではない

私はAIを使うのをやめない。会社の仕事から外せないし、外す理由もない。速く調べ、試し、作れることには大きな価値がある。

ただし、AIに相談するたび選択肢が増えるなら、使い方を変える。十個の習慣術を教えさせるのではなく、質問を一つずつさせる。立派な計画ではなく、次に手を動かす場所まで決めさせる。

AIに任せるのは自分の管理ではない。始める前の判断を減らすことだ。

そのあと鉛筆を持つのは、こちらの仕事である。

よくある質問

「スマホ認知症」は正式な病名ですか

正式な診断名ではありません。物忘れや集中しにくさには、睡眠不足、ストレス、薬、心身の病気など別の原因もあります。仕事や家事に支障がある、急に悪化した、周囲から変化を指摘された場合は、スマホ対策だけで済ませず医療機関へ相談してください。

二つ以上の目標を同時に設計できますか

できます。ただし、すべてを毎日行う計画にはしません。時間を確保する主タスクと、短く触れる維持タスクに分けます。二週間後に負担を確認し、両方が重ければ一つへ絞ります。

一日休んだら、翌日に二日分行いますか

行いません。休んだ分を上乗せすると、再開初日の負担が大きくなります。次の予定日に最小動作だけ行えば再開とします。

スマホのリマインダーは使わないほうがよいですか

必要なら使えます。ただし、通知だけに頼りません。既存の動作と道具の配置を組み合わせます。スマホから離れたいタスクでは、通知を開いたまま別の情報へ移らない設定も必要です。

参考資料

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