生成AIで創る、新時代のコンセプトカー開発フロー
自動車業界では今、新しい発想が求められています。
特にZ世代(1997年〜2012年生まれ)をターゲットにした商品開発では、従来の「カッコよさ」や「性能」だけでなく、ライフスタイルや価値観に寄り添ったアプローチが不可欠です。
本記事では、生成AIツール「ChatGPT」と「Midjourney」と「Runway Gen-3」を活用し、未来の都市型EVのコンセプトとデザインを提案するプロジェクトを設定してその流れを紹介します。
事例の背景
ある自動車メーカーが「Z世代向けの次世代コンセプトカー」を企画。
社内ではブレストが難航しており、「もっと柔軟で、インスピレーションに富んだアイデアが欲しい」との声から、生成AIを使ったプロトタイプ開発がスタートしました。
使用ツールと役割分担
本プロジェクトでは、以下のようにツールを使い分けました。
フェーズ | 使用ツール | 活用内容 |
---|---|---|
① 市場・トレンド調査 | ChatGPT | Z世代の価値観や好みをリサーチし、キーワード化。 |
② コンセプト設計 | ChatGPT | デザインテーマ・使用シーン・機能要件を文章で整理。 |
③ ビジュアル生成 | Midjourney | コンセプトに基づいて複数の車体デザイン案を画像化。 |
④ コンセプト動画 | Runway Gen-3 | ビジュアル案に基づいてPR用の動画を制作。 |
ChatGPTで使ったプロンプト例
ChatGPTは、コンセプト設計だけでなく、ターゲット理解や未来予測にも活躍します。
① 市場・トレンド調査用プロンプト
Z世代(1997年〜2012年生まれ)の若者が、自動車に求める価値観やライフスタイルの特徴を教えてください。
以下の観点で、それぞれ3〜5点ずつ挙げてください:
- デザイン・見た目
- 機能性・使い方
- サステナビリティ意識
- SNS映えや自己表現の観点
また、上記をもとに「Z世代に好まれる都市型コンパクトカーの方向性」を簡潔にまとめてください。
② コンセプト設計用プロンプト
①で得た方向性をもとにコンセプトを作成します。
*****
ここに①で得た方向性をコピペします
*****
Z世代の価値観を取り入れた、都市型EVのデザインコンセプト文を200文字以内で作成してください。
キーワードは「サステナブル」「コンパクト」「スタイリッシュ」「SNS映え」「未来感」です。
Midjourneyでデザイン画像を生成
②で得たコンセプトをもとに、Midjourneyでデザインを制作します。
Midjourneyで画像を生成するためのプロンプトを作成
*****
ここに②で得たコンセプトをコピペします
*****
以上は「Z世代に好まれる都市型コンパクトカー」のデザインコンセプトです。
このデザインを画像生成AIのMidjourneyで生成するためのプロンプトを制作してください。
プロンプトは英語で書いて日本語訳も付けてください。
A futuristic compact urban EV called "NEO-URBAN", minimalist sleek design with customizable LED accents, sustainable recycled materials, digital-physical interface with seamless smartphone integration, stylish interior with clean lines, photographable unique features for social media sharing, eco-conscious aesthetic, city-friendly size, combination of retro and futuristic elements, vibrant accent colors against neutral base
「NEO-URBAN(ネオアーバン)」という未来的なコンパクト都市型EV、カスタマイズ可能なLEDアクセントを備えたミニマリストでスタイリッシュなデザイン、サステナブルなリサイクル素材、スマートフォンとシームレスに統合されたデジタル-フィジカルインターフェース、クリーンなラインのスタイリッシュなインテリア、SNS共有向けの撮影映えするユニークな特徴、環境に配慮した美学、都市に適したサイズ感、レトロと未来的要素の組み合わせ、ニュートラルなベースに鮮やかなアクセントカラー
作成したプロンプトを使ってMidjourneyで画像を生成
作成したプロンプトを使ってMidjourneyで画像を生成します。

Runway Gen-3での動画化:車を「動かす」ことでリアリティを演出
Midjourneyで生成した車の静止画をもとに、動画生成AI(Runway Gen-3など)を活用して、「魅せる動画コンテンツ」を作成。
これにより、静的なデザインから動的なストーリーテリングへと昇華させます。
動画に適したシナリオ例
- ショールームで展示される未来カー(光沢・照明が映える)
- 都市の夜景の中をスムーズに走るEV(近未来のムード)
ケース①:ショールーム展示
まずは、先ほどの画像の背景をMidjourneyのEDIT機能を使って「ハイエンドなショールーム」に変更します。

入れ替える背景の部分を塗りつぶして、プロンプトの一部を入れ替えます。

背景が「ハイエンドなショールーム」に変わりました。いい感じです。

では、この画像をRunway Gen-3で動かします。
カメラは車の周りを円弧状に動かします。プロンプトは以下の通り。
Arc right shot:
A futuristic compact EV car parked in a high-end showroom, surrounded by ambient lighting and modern interior design.
ケース②:都市を走行中の様子
画像は最初のまま修正はせずに動かします。プロンプトは以下の通り。
Hand held camera:
A futuristic electric vehicle driving through a cyberpunk-style city at night, reflecting neon lights from buildings.
統合的な制作フローまとめ
- ChatGPTでユーザー像とコンセプトを策定
- Midjourneyで静止画による外観デザイン案を生成
- Runway Gen-3でシナリオに沿った“動き”ある映像を生成
- ChatGPTでナレーションや説明文の生成、資料作成にも展開可能
こうして「見せるだけ」から「伝わる」へ
動画化によってデザイン提案の説得力が格段に向上します。
マーケティング資料や社内プレゼン、SNS広告にもそのまま転用できるため、プロトタイプ開発とプロモーションを一貫して生成AIで完結できるようになります。